2014年3月29日土曜日

4_16_Data_Driven_Decision

--- layout: chapter なぜ政府はデータによって意思決定しなければならないのか 第16章 第4部 author: - 名前:ベス・ブラウアー Twitterアカウント:@biblauer 職業:GovStat(ガヴスタット)の責任者 雇用者:Socrata(ソクラタ) photo_url: /images/authors/beth.png about: "Former Director of Maryland StateStat, now building out the GovStat performance management platform for Socrata." permalink: /part-4/why-data-must-drive-decisions-in-government/ --- データ重視型政府の夜明け 2013年の政府の展望は課題と機会を含んでいる。経済は不安定で、政治は極めて分裂し、多くの人が10年前に比べて政府のサービスに依存している状況だ。そしてまた私たちは、日々をかつてない情報の開示と利便性、透明性の時代に暮らしている。 アメリカの成人の85%はインターネットにアクセスでき、56%がスマートフォンを所有し、「グーグル」は動詞になり、すべての人をレストラン評論家にした(Fox 2013)。市民はほとんどの疑問への答えをオンラインで見つけることに期待し、政府からより多くの回答を求めている。それにもかかわらず今のところ、政府関連のアクセスのしやすさは遅れたままだ。 クラウド上のデータストレージやAPI(※ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様)といった最先端の技術を採用すれば、政府が持っているデータの宝庫を解放し共有することができる。ところが、一部の政府機関では、革新という観点で民間に遅れをとっているばかりではなく、それらが加速されているとはいいがたい。データは長いあいだ政府の資産と捉えられてきた。しかし、現在では、継続する都市問題の解決策を見つけるために、政府と市民、起業家、研究者のあいだで、より簡単に共有され利活用されるものになっているのだ。 データ重視型政府と市民によるイノベーションの新時代は形をあらわしつつあり、今のところその成果は素晴らしいものがある。それらは将来において何が可能であるかという一つのヒントを与えてくれる。それはデータ重視型政府が社会問題への最適な解決策を生みだすことができるということではなく、さまざまな政府がどれだけ早くその考えを受け入れ恩恵を得ることができるかということだ。 メリーランド州のステイトスタットで、最も古く最も成功を収めたデータ重視型政府の元リーダーの一人として、わたしがどのようにしてその役務にいたったか、在職中に何を成し遂げたのか、なぜ現在のデータ重視型統治のプラットフォームを開発する民間企業への道を選んだのかをお話ししたいと思う。 わたしはどのようにしてデータ重視型政府へ加わったのか 多くの人の日常生活において、政府は付属的なものだ。わたしがロースクール(法科大学院)に通うことを決めるまでは、それは確かなことだった。わたしは法律の学位によって人々の手助けをしたいという目標を持っていたが、政府に入ることに興味はなかった。 (文脈上「しかし、」がほしい)数多くの人々の生き方を変えたあの日、2001年の9月11日は、ついにわたしを公務員の道へと進むことを決心させた。 当時、わたしはロースクール(法科大学院)を卒業したてで、新婚、ニューヨーク市のヘッジファンドで働いていた。前日の2001年9月10日、道にできた穴ですべってできた傷の治療のために病院へ行ったことで、9月11日の朝、わたしは世界貿易センタービルへ向かわずにすんだのだ。 その経験は多くの内省を促し優先順位に変化をもたらした。夫とわたしは故郷のボルチモアに帰ることを決心し、わたしは人々の手助けをするためにロースクール(法科大学院)へ入学したという当初の理由を思い出したのだ。 わたしは公選弁護人に転職し、法廷弁護士の勉強をしながら、保護監察官として働いた。メリーランドの少年課で過ごすにつれて、わたしの訴訟に関する法的手続きの見識は磨かれていった。 当時、ボルチモアのマーティン・オマリー市長は、行政を率いる一方で、ニューヨーク市で成功したコムスタット・プログラムにヒントを得た(街を)活気づけるいくつかの事業を行っていた。 例えば、ニューヨーク市のコムスタット・チームは警察要員との相互参照ができる犯罪地図を持っており、犯罪取り締まり要員は均等に分布しているが犯罪はそうではなかったという、明白な違いを暴き出した。賢明に部門別の人員配置をするという、ニューヨーク市の指示はかなりの部分の犯罪を一掃できたのだ。犯罪が減れば、たいてい何かが始まる。ニューヨーク市の場合、産業や旅行業、より活気のある地域がそれだ。データ重視型の手法は効果があることが証明されたのだ。 オマリー市長は、この手法をボルチモアの犯罪を一掃するためだけでなく、より広い範囲に使いたいと思っていた。彼は犯罪を減らすだけではなく、街全体に影響を及ぼし改善したかったのだ。街を捨てて郊外へ去ってしまった人々に返ってきてほしかったし、繁華街を安全と幸せな訪問者であふれさせたかった。彼はボルチモアのすべての子どもたちに最善の教育を受けさせ、清潔で効率的な街づくりをしたかったのだ。 結果的に、彼はチームを率いてオマリー版コムスタット、つまりシティスタットをつくり出すことになった。それは状況を一変させた。データに重視型の手法は犯罪に影響を与えただけではなく、市のすべての行政部門にデータによる意思決定のプラットフォームを提供した。それは、311非緊急時コールセンター通話記録や48時間障害対応保証のような市民を利益となるサービスを生みだした。 わたしは、少年司法制度の立場からシティスタットの成功を見守る中で、データによって問題を分析することに自然に魅力を感じていた。 メリーランド州ステイトスタットの誕生 2006年、ボルチモアのオマリー市長がメリーランド州知事になったとき、シティスタットが州全体に広く展開されることは明らかだった。選挙後、彼はわたしを青少年課の課長に任命した。その後間もなく、少年司法制度の仕事に就いていた経験を見込んで(現状に満足しないわたしの性向もあったが)、オマリー州知事はわたしをステイトスタットのディレクターに迎えたのだ。 わたしはその計画を率いていた5年間で、メリーランド州の政府運営の根本的な変化における重要な役割を果たすことができた。その目的は、もとよりデータ重視型の意思決定であり、待ち望んでいた改革だった。 わたしたちは当初、州政府内の大きな部局に焦点を合わせていた。(しかし)オマリー州知事のメリーランドへの構想は意欲的で大胆なものだった。彼の目標には、2015年までにメリーランドにおける空腹な子どもをなくすこと、2018年までに州内の犯罪を20%減らすこと、2025年までにチェサピーク湾を「健康への転機となる湾(△)」にすることが含まれていた。彼はシティスタットを通じたそれまでの経験から、これらの複雑な問題を解決するためには、多様な部局からのデータが不可欠であることがわかっていた。彼は解決策を見いだすために、目的意識を持って異なる部局から人とデータを集めたのだ。 ステイトスタットの成功談 空腹な子どもたち 一例として、空腹な子どもをなくすというオマリー州知事の目標を取りあげてみよう。これはとても困難な目標だ。加えて、空腹の終わりを数値化するのは難しい。どれだけ無料の昼食を配ればいいのか? どうやって空腹な子どもの数を数えるのだろう? さらにことをより複雑にしているのは、空腹な子どもたちへの取り組みを、部局ごとに異ったやり方でばらばらに行っている行政サービスだ。空腹な子どもたちの減少数は、学校や非営利団体、社会福祉機関の調査に載っている。2006年にオマリーのステイトスタットがはじまるまで、これらの関係者たちは、みんなが同じ目標を達成するために努力していたとはいえ、解決策を見つけるためにデータを集めたり恊働したりすることはまったくなかった。それに加えて、食糧配給券を使用したり無料の昼食を手に入れたりするのは不名誉なことで、州政府はどのくらいの数の子どもたちが空腹な状態にあるのか実際に把握していなかったのだ。 一旦すべての関係者を同室に集めデータをまとめてみると、学校給食がその根幹であることが判明した。学校においてより多くの子どもたちへより多くの給食を供給できれば、状況を改善する好機となることがわかったのだ。わたしたちは給食サービスの拡大する必要のある地域について一体となって取り組んだ。 無料の昼食は、やがて無料の朝食や夕食となり、夏期講習の際の無料の給食となっていった。わたしたちの努力はどのような結果をもたらしのか? もはや子どもたちは空腹でないだけではなく、栄養の十分な子どもたちは学業において良い成績を収めるまでになった。わたしたちは成績の劇的な改善と問題行動の大幅な減少を認めたのだ。無料の給食と成績の改善とのあいだに直接的な相関関係を見つけることはできなかった。しかし、メリーランド州の多くの指導者は、無料給食の拡大がなければ、メリーランド州が『エデュケーション・ウィーク』紙のベスト・スクールとして2008年から、2009年、2010年、2011年、2012年までの5年連続で選ばれることはなかったということに同意している。(『Quality Counts 2012』 2012) 2008年から、2009年、2010年、2011年、2012年までの5年連続 > 2008年から2012年までの5年連続 里子の安全 別の目覚ましい効果として、人材開発省とともにメリーランドの里子たちがどのように扱われているかを調査したことがあげられる。彼らははたして安全でよく面倒が見られているのか? わたしたちの分析の一環として、里子のいる住所とメリーランド州で粗暴犯罪者と登録性犯罪者が最も多い地域とを重ね合わせたいと考えたのだ。 この位置情報は、それぞれ別の部局にあったため、それまで対照されることがなかった。法的な障壁により、里親の選考課程もまた一緒にされることがなかったのだ。 ひとたびそれらを集めてデータを視覚化してみると、最も被害を受けやすい子どもたちは最も危険な犯罪者の近くに住んでいることが判明した。わたしたちは最も懸念すべき状況に対して安全性の評価をすることができたのだ。このことは今もなお、わたしのステイトスタットのディレクターとしての最も誇らしい成果だ。 財政の安定 2007年、オマリー州知事は増税を決めた。差し迫った経済破綻を目の前にして、まず一番に無駄遣いを探し解消したのだ。2006年、オマリー政権は6000近くの州の職務を廃止するプロセスに着手した(O'Malley, 2013)。加えて、多くの州では狂ったように減税をしているのに、わずかとはいえない増税というとても嫌われる決定をした。このプロセスにおいてデータはわたしたちの手助けになった。 後から考えると、増税はメリーランド州が(他の)多くの州よりも不況をうまく切り抜けることを可能にした。わたしたちは(国中に)広がっている影響を免れることはなかったが、ぎりぎりまで財源を削減し、収入増とサービス削減に関するデータ重視型の意思決定をすることができ、メリーランド州はたった9つの州のひとつとして債券格付けのAAA(トリプル・エー)を取り戻すことができたのだ。 ステイトスタットの結果 良好な大気の質が失業者を職場に戻すという適切な方法から判断して、データに基づいたアプローチはメリーランド州において重大な影響を与えた。異なった部局から集められた情報は、わたしたちに新たな見識をもたらし、データの力を証明してくれたのだ。 全体として、ステイトスタットの成功はまさに驚くべきものといわざるをない。最初の3年間で、メリーランド州は超過勤務手当について公的安全機関だけみても2000万ドルが節約できた。わたしたちは、印刷所、公用車を一本化することや事業における重複をなくすことによって経費を削減することができた。 オマリー州知事はまた、犯罪を減らすという約束も果たした。州内の凶悪犯罪は2007年から2012年にかけて25%減少した。実際、2011年に起きた殺人は2006年と比べて27%減っている。とりわけボルチモア市では歴史的な犯罪の減少をみた。 さらに、オマリー政権は、不況下の失業を81%回復させながら、最初の7年間で83億ドルという巨額の支出削減を成し遂げた。これはアメリカ国内で8番目の早さだ。その一方でオマリー州知事のチームは、そのほとんどが子どもたちですが、360,000人を超える医療保険の拡大に一役買った。 2012年、メリーランド州はアメリカ国内において15番目に低い担保権執行(差し押さえ)率になった。 高校の最上級生の87%が卒業し、2012年には2006年と比べ56%以上多くの学生が、自然科学、テクノロジー、工学、数学などの飛び級のテストを受けた。 成果を数え上げればきりがない。 どうしてこのような広範囲にわたる成功が可能となったのか? それはわたしたちが運営指針をデータに委ねているからだと考えている。これを過小評価することはできない。データ重視型のアプローチは補助的なものではなかったのだ。ステイトスタット計画は、メリーランド州において全予算と職員の80%を監督した。各部局はステイトスタットによって、週ごととまではいかなくとも、月ごとにチェックし、四半期ごとにオマリー州知事が表明した15の目標を見直した。 いろいろな意味で、ステイトスタットをはじめたタイミングは理想的だった。データ重視型の意思決定は常に有益で、大不況の真っただ中にあっても、わたしたちは確実に少ないロスでより多くのことができた。市民への事業効率化と正しい判断をするために、わたしたちはどの業務が最も重要かを理解しなければならない。その答はデータの中にある。 オープンデータへの転換 ステイトスタットにおける初期の最大の課題はデータがさまざまなところからきていることだった。信頼できるデータベースなしに、わたしたちは情報を中央に集め保存することはできなかった。それどころか、わたしちは手作業で集計表をまとめた。わたしたちには、さまざまな情報源から一般の人々または内部チームへとわたるデータへの所見を監督する手だてが必要だったのだ。 わたしたちはビジネス・インテリジェンスやデータベースによる解決策を調査したが、結局はオープンデータが勝利を収めた。わたしたちのオープンデータ・ポータルは、どの部局からでも他の部局の情報を見ることができるように集中化され標準化されていた。そして、それは市民からも見ることが可能となっていた。 わたしたちはオープンデータ・ポータルを公開ダッシュボードの基盤として用いた。わたしたちは市民がわたしたちの目標に関連したデータを確認し表示できるように枠組みを構築した。ステイトスタットの過程をより公にすることで、行政が市民のためにどのような仕事をしているかを市民が理解しやすくしたのだ。 わたしたちの努力を公開することは、有権者を参加させ、わたしたちの手助けになった。わたしたちがデータを公開し問題を説明すれば、市民はわたしたちを信頼し応えてくれる。わたしたちが再生法予算を受け取ったとき、市民は彼らの地域の中で必要な事業を指摘しはじめた。わたしたちは市民のためにウェブサイトを開設し、コメントを書き、どこに予算を使おうと計画しているかをフィードバックした。 わたしたちのオープンデータによる可視化の努力は、メリーランド州における市民主導の生活改善運動に拍車をかけた。 データ重視型政府成功の本質 ステイトスタットを運用した5年間、どうやらわたしたちはデータを用いてよりよい決断をし地域社会と向き合うために適した手法を取れたようだ。わたしが作った3つの基本指針をあげてみることにしよう。 政府の会話についてデータを監督し人々に情報を提供すること。 開発者がデータを利用できるようにし、エコシステムを振興させること。 データ分析官が関係官庁や開発者と話し合える協調環境を育成するともに、全員が全体像を理解し、リスクを取り、意欲的な目標を掲げる権限が与えられること。 一方で、オマリー州知事は成功するために必要なリーダーシップスタイルを定義した。彼が育んだこの技術を基盤とした説明責任はメリーランド州の行政のあらゆる段階にも導入され、データに重視型の意思決定をするため適材適所の人員配置によって支えられている。彼はステイトスタットがいかに繰り返され、正しいデータによって補強された拡張可能な仕組みにより、メリーランド州が直面するいかなる課題にも実践的に対応できるという展望を持っている。 首長の構想と揺るぎない関与がメリーランド州で成功をもたらした本質だ。伝達性と拡張性の観点から、ステイトスタット・スタイルによる手法が世界中の政府によって再生されるのはかなり困難に思える。強いリーダーの存在が拡大を確実にし、組織において長期にわたり採択される鍵となる。 なぜわたしは民間企業へ移ったのか ステイトスタットモデルのオープンデータ・アーキテクチャで働くうちに、わたしはオープンデータを実践し最適化するプラットフォームの供給者であるソクラタと恊働するようになった。わたしはソクラタがオープンデータの拡大に必要な拡張可能な技術を持ち、より多くの人々をデータに基づいて管理できることがわかった。この考えはわたしを刺激した。 もしもわたしがメリーランド州で学んだことや計画したことが、世界中の政府がデータ重視型になることを活性化させられるとしたらどうだろうか? ソクラタはあの製品を作りあげるためにわたしを招き入れた。わたしたちはそれをガヴスタットと名付けた。そして、その実現はわたしにとって経歴を特徴づけるものとなっている。それはメリーランド州が拠り所としていた過去数十年のスタットモデルで経験した成功事例を使って、いかなる州や市町もデータ重視型の意思決定を実行できるプラットフォームを生みだす。わたしはその戦略を、早く簡単に他の機関がデータ重視型の管理が高い成功率で達成できるようにしたかったのだ。 データ重視型をはじめたばかりの政府にとって、わたしはこのツールが、目標設定や適用基準、成績追跡へ向けた成功事例を通じて、彼らをガイドできるようにしたかった。オープンデータの利用経験を持つより手慣れた政府にとっては、このプラットフォームが、迅速かつ効率的に成績追跡と能力報告を高めることが可能となるのだ。 これらのような、またその中間にある政府にとっては、本質的な市民コミュニケーションが鍵となる。ガヴスタットにおける目標や測定基準、スケジュール、記録は、データの背景と公表を知らせるダッシュボードを通じて市民に伝えられる。市民が自らの生活の質を向上させる取り組みに関わることができるという、これはループの完成だ。 わたしはなぜオマリーチームを辞めて民間企業で働くことになったのかとよく聞かれる。わたしたちがステイトスタットの一員としてつくり出したものが変化したのだと思う。また、地域的にも、全国的にも、世界的にも、政府は総じて変化すべきなのだ。わたしたちはデータ重視型の手法を受け入れないで、意思決定における優れた創造性と恊働の利益を得る機会を失うわけにはいかないのだ。 ソクラタの一員として働くことは、その方向で目立った変化をもたらす一番の近道だった。正直にいって、オマリー州知事と働いたなら、けっしてやめることはできない。今やわたしは、この手法の重要性を説く彼のメッセージを伝え歩き、しばしば困難な政府の運営を完全に軌道にのせ、すべての人に素晴らしい結果をもたらすことが可能だという評判を広めることができるのだ。 政府におけるデータ重視型成果管理の未来 メリーランド州での成功は他の州や市から注目を集めた。わたしがステイトスタットのディレクターをしていたとき、多くの政府関係者が見学に訪れ、(システムの)移設について話し合いをした。ステイトスタットが誕生してからわずか6年で、全米各地の多くの州や郡、市がデータ重視型のリーダーシップの手法を受け入れたのだ。2013年5月9日、オバマ大統領のオープンデータに関する大統領命令への署名は、はっきりとデータ重視型の連邦政府への新たな関与を示すものだ。 いずれの「スタット」プログラムは、多少の違いはあるが、すべてがニューヨーク市のコムスタット構想から生まれた4つの理念に基づいて運営されている。 1. 正確で時宜を得た知力:何が起きているかを知る 2. 効果的な戦略:計画を立てる 3. 迅速な対応:すぐに行う 4. 絶え間ない追求と評価:うまくいっていればさらに、でなければ他のことをする(Godown, 2009) データ重視型の管理は単にオープンデータに支えられているだけではない。オープンデータの最大の影響についての伝統的な見解は、民間の経済活動を刺激できる開発力を生みだすことだ。レストランの評価と一緒に衛生規範違反をモバイル機器に表示するものをはじめ、車がレッカー移動されたときにメールを受信するものまで、アプリの開発分野だけとってみてもじつに数多くの例がある。これらはオープンデータ提唱者によって予測された実際に生活の質を向上させるタイプのものだ。 しかしながら、政府と市民にとって重要なことを前進させるためにデータを用いることを許すツールの安価な利用など、オープンデータの最も多くの変革の成果は、政府が効率的になったときにあらわれる。オープンデータの影響は行政サービスをあてにしている人だけではなく、日常生活の中で政府と関わるすべての人たちにおよぶ。運転免許を取得したり家の建築許可をとったりするのではなくても、わたしたちは皆、政府と関わりをもっているのだ。 これらのあらゆる相互関係はわたしたちの幸福指数に影響をあたえる。それぞれの相互関係は、政府が市民にどのように貢献するかによって影響される。オープンデータは、行政サービスを変革させ、人々の期待感に影響する力を持っている。政府は動かないという考えを一変させる力を持っているのだ。 わたしのお気に入りの格言は「潮がさせばすべての船が浮かぶ」だ。最もきびしい緊縮財政の中でさえ、政府が機能した例がある。公務員がオープンデータを使えば使うほど、各政府がそうなっていく。成功事例を増大させる機会がより多ければ、政府の事業を効率化する方法を考え出せ、善行を推進し、起業家精神を育み、実際により多くの成果を見ることができるのだ。 政府がデータ重視型でデータ追跡に裏付けられた結果を資料としているなら、これはすべて可能だ。 これはわたしの展望で、ガヴスタットの構築はできるかぎり多くの人々をできるかぎり早く引きつける一歩だ。犯罪や障害、貧困といった一般的な問題の測定をいち早く標準化することができれば、広い地域の孤立地帯で何が起きているのかをすぐに再現し見積もることができるだろう。ニューオーリンズ市が障害を取り除くためにうまくいく計画をもっているなら、それを標準化しよう。そしてソート・リーダーシップ(考え抜かれたリーダーシップ)を共有するプラットフォームを作っていこう。問題の大半が解決しているのに、フィラデルフィア市が車輪を作り直す(=あらたに解決策を考える)必要があるだろうか? わたしたちは現在、オープンデータとパフォーマンス・インサイト(Oracleデータベースの最適なパフォーマンス維持と安定稼働を実現する運用管理ツール)の中核で、データ重視型の管理手法がもつ最も激変し、成熟した絶好の機会を得ています。それはこの手法が広範囲で採用されるかどうかではなく、いつなのかということです。わたしたちは、地域的、全国的、国際的に直面する課題を解決するために、政府においてより機動的にデータを使わなければならないのです。オープンデータと実績をより密接に関連づけるほど、わたしたちは成果を実感しデータを豊かなものにできるのです。 ### 著者について ベス・ブラウアー シアトルに本社を置くオープンデータプラットフォームプロバイダー、ソクラタのを後援するガヴスタットの責任者。2008年から2012年までメリーランド州ステイトスタットおよびマーティン・オマリー州知事を後援する部署の責任者を務める。 ### 参考資料 エデュケーション・ウィーク(2012). ▲品質数 2012. ザ・グローバル・チャレンジ. エデュケーション・ウィーク, 31(16). 以下参照 http://www.edweek.org/ew/qc/2012/16src.h31.html ジェフ・▲ゴーダウン(2009年8月) コムスタット・プロセス:犯罪減少管理への4原則。警察署長、vol. LXXVI (no. 8)。 * [Fox, S. (2013, July 1). Pew Internet: Health. Retrieved from http://www.pewinternet.org/Commentary/2011/November/Pew-Internet-Health.aspx](http://www.pewinternet.org/Commentary/2011/November/Pew-Internet-Health.aspx) * [O’Malley, Martin, State of Maryland. (2013, January 30). State of the State: Better Choice; Better Results. Retrieved from http://www.governor.maryland.gov/documents/2013StateoftheState.pdf](http://www.governor.maryland.gov/documents/2013StateoftheState.pdf)


(翻訳:George Cohta)

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